まだ早いと思っていませんか? 遺言書作成のタイミング
遺言書を書くのは、病気や高齢になった時だけではありません。元気なうちだからこそ、冷静に自分の意思を整理し、家族への想いを伝えることができます。 早すぎるということはありません、万が一に備え、あなたの想いを遺言書に残しましょう。遺言書作成の重要性と最適なタイミングを解説します。

遺言書を書くべきタイミングとは?思いついた今が最適な理由

 

 

はじめに

遺言書を作成しておくことで、家族間のトラブルを避ける争族の安心と、スムーズに相続手続きを進められる手続き面の安心という2つの大きな安心を残された家族に提供することができます。
しかし、いつ遺言書を書くかは多くの人にとって悩みの種です。
今回は遺言書を書くタイミングについて解説します。

 

 

遺言書を書くべきタイミング:結論

  • 遺言書の作成を思いついたとき

遺言書作成は、思いついた今が正にベストなタイミングだと言えます。
遺言書は、いざというときに備えるためのものです。
そして、いざというときがいつ訪れるかは誰にもわかりません。病気や事故、災害のリスクは常に存在します。
自身の現在の状況や資産情報の整理にも繋がることですので、遺言書のことを考えた今このタイミングで作成してみましょう。

 

また、遺言書はいつでも撤回・更新することができますので、人生の節目節目で更新していけば良いのです。

 

 

遺言書を更新するタイミング

家族構成が変わるとき

結婚や再婚、子供の誕生などにより家族構成が大きく変わるタイミングで見直し、新しい家族に配慮した遺言書に書き換える必要があります。

 

また、離婚や死別などにより相続人が変更になる場合も更新のタイミングです。
特に離婚後に遺言書を更新していないと、本来相続分のない元配偶者へと遺産分配されてしまいます。

 

 

大きな財産の取得

不動産の購入やビジネスの開始など、大きな財産を取得した際には、その財産の分配方法を明確にするために遺言書を更新しておきましょう。
不動産は分割方法を指定しておくことで相続人間のトラブルを避けることができ、事業承継の方針を定めておくことでスムーズな引継ぎを行えます。

 

 

病気や高齢

自身の健康状態が変わった場合や年齢を重ねた際には、遺言書の内容を見直し、最新の状況に適応させましょう。
加齢により認知症などで遺言能力を欠く状態になってから作成した遺言書は無効になってしまいます。
そのため、遺言書は早めに作成し、定期的に見直すことが重要です。

 

 

更新する際の注意点

  • 相続人や財産の変動を確認し、忘れずに反映させる。
  • 法律の改正がないかチェックしておく。
  • 遺言執行者は引き続き適任か、必要に応じて変更する。
  • 日付や署名・押印に漏れがないか確認する。
  • 古い遺言書を破棄する。
  • 専門家に不備がないか確認してもらう。

特に公正証書以外で作成する場合は形式に問題がないか注意しましょう。

 

 

若すぎるということはない

遺言書がいざというときに備えるものであるという性質上、若いからというのは書かない理由にはなりません。実際に法律では、

15歳に達した者は、遺言をすることができる。(民法第961条)

と定められています。法律行為を行えるようになる18歳より早くから可能であるのは、それだけ遺言者の最期の意思が尊重されるということです。
割合としては低いですが、若い人でも病気や事故、災害などの不測の事態は起こり得ます。
そして残された家族の争いや手続きの不安は同じように訪れます。
遺言書を作成するのに若すぎるということはありません。

 

 

まとめ

遺言書を書くタイミングに迷ったら、「思いついた今」です。
遺言書は、あなたの大切な家族を守るための、そして、あなたの想いを未来へ繋ぐための、かけがえのないものです。まずは、一度、遺言書の作成について考えてみませんか?
作成の際に疑問や不安がある場合はぜひ一度ご相談ください。