特別受益と寄与分
特別受益と寄与分について詳しく解説し、相続トラブルを避けるための実践的なアドバイスも提供します。今治市で相続の相談は行政書士佐伯和亮事務所までおきがるにどうぞ!

特別受益と寄与分の扱い方とは?

相続において、特別受益寄与分は非常に重要な概念です。
これらを理解することで、相続トラブルを避け、公平な遺産分割を実現することができます。
本コラムでは、特別受益と寄与分についてわかりやすく解説します。

 

 

 

 

特別受益の扱い

特別受益とは

被相続人が遺贈または贈与によって特定の相続人に与えた利益のことを指します。
具体的には、

  • 遺贈
  • 婚姻のための贈与
  • 養子縁組のための贈与
  • 生計の資本としての贈与

が該当します。(民法903条1項)

 

特別受益の持ち戻し

特別受益があった場合、相続時の財産だけで遺産分割を行うと、他の相続人との間で不公平が生じる可能性があります。
そのため、特別受益の価額も相続財産と合算して相続分を計算することを「特別受益の持ち戻し」と言います。
簡単に言うと、先にもらっている分を引いて計算するという考えです。

 

特別受益とならないケース

  • 相続人以外への遺贈・贈与
  • 被相続人による持ち戻し免除の意思表示
  • 婚姻期間が20年以上の配偶者への居住用不動産やその購入用資金の遺贈・贈与
  • 相続財産に対して過大でない生命保険金・死亡退職金

特別受益にあたるかどうかは、明確な判断基準が定められているわけではなく、最終的には裁判所が判断するため、個別の案件についての問い合わせを受けても返答しかねる場合があります。

 

被相続人による持ち戻し免除の意思表示

被相続人が事前に持ち戻しをしない旨の意思表示を示している場合は持ち戻しなしで遺産分割することが可能です。
意思表示は口頭でも可能ですが、一般的には遺言書に記載されます。

 

特別受益と遺留分

原則として相続発生前10年以内に行われた特別受益は遺留分侵害額請求の対象となります。
これは持ち戻し免除の意思表示があっても同じです。

 

 

寄与分の扱い

寄与分とは

相続人の中に、被相続人の財産の維持または増加について特別な貢献をした者があるときは、その分を相続分に反映させるものです。(民法904条の2)
例としては、被相続人の

  • 事業に関する労務の提供
  • 財産上の給付
  • 療養看護
  • 扶養
  • 財産管理

等があります。

 

特別寄与料

寄与分は相続人以外には認められないため、例えば「被相続人の子供の配偶者」には主張することはできませんが、
被相続人に対して、相続人以外の親族が特別の寄与を行い、相続財産が維持・増加した場合は、相続人に対して「特別寄与料」を請求できるとされています。
特別の寄与の方法は、無償で療養看護その他の労務の提供となっています。

 

 

特別受益・寄与分の主張

特別受益・寄与分については遺産分割協議・調停・審判で主張していくことになりますが、

相続開始から10年を経過すると主張することができなくなります。

また、主張する側に証明責任があるため、証拠を提出する必要があります。

 

 

まとめ

特別受益と寄与分の理解は、公平な遺産分割を実現するために欠かせません。
これらの概念は、誰かが「得をしている」または「損をしている」という印象を持ちやすく、トラブルに発展することがあります。
相続に関するトラブルを避けるため、専門家への相談や助言を活用しましょう。
行政書士佐伯和亮事務所では無料で今治での相続相談を随時承っておりますので、お気軽にご相談ください。