遺贈と死因贈与を比較!【どちらがあなたに合っている?】
遺贈と死因贈与の違いを徹底解説!それぞれのメリット・デメリット、手続き、注意点など、あなたに合った財産承継の方法を見つけるための知っておきたいポイントを網羅。相続・遺贈に関するご相談は、今治市の行政書士佐伯和亮事務所へ。最適な相続対策を行いましょう。

遺贈と死因贈与、どちらを選ぶ?【違いを分かりやすく解説】

 

 

はじめに

「大切な人に、財産を託したい」
そんな願いを叶える手段として、「遺贈」と「死因贈与」があります。どちらも故人の財産を特定の人に譲るための制度ですが、その仕組みや手続きには違いがあります。

 

このコラムでは、遺贈と死因贈与の違いを分かりやすく解説し、それぞれのメリット・デメリット、注意点などを詳しくご紹介します。

 

 

遺贈と死因贈与の定義

遺贈

遺贈とは、遺言書によって、故人の財産を特定の人に譲ることをいいます。法定相続人以外の人、例えば友人やお世話になった人、または法人や団体に対しても行うことができます。

 

死因贈与

一方、死因贈与は、贈与者(財産を譲る人)が亡くなったときに贈与の効力が発生する「贈与契約」です。贈与者と受贈者(財産を譲り受ける人)の間で、生前に契約を結ぶ必要があります。

 

 

遺贈と死因贈与の違い

遺贈 死因贈与
根拠 遺言書 贈与契約
当事者間 遺言者単独の意思決定 贈与者と受贈者の合意
書面 必要(有効な遺言書) 不要(口頭でも成立)
撤回 遺言書を書き直すことで可能 一方的には難しい場合も
年齢制限 15歳以上 未成年者は法定代理人の同意
税金 相続税 相続税
メリット 単独で決めて内容を秘密にできる 事前に内容がわかり確実に渡せる
デメリット 無効のリスク 書面でないと立証が難しい

 

根拠

遺贈:遺言書によります。
死因贈与:当事者間の契約によります。

 

当事者間

遺贈:遺言者単独の意思決定です。
死因贈与:生前に贈与者と受贈者双方が合意した契約を結ぶ必要があります。

 

書面

遺贈:有効な遺言書で行います。
死因贈与:必ずしも書面である必要はなく、口頭でも成立します。

 

撤回

遺贈:遺言書を書き直すだけで可能です。
死因贈与:口頭での契約であれば意思表示だけで可能ですが、書面での契約は一方的には撤回できない場合もあります。

 

年齢制限

遺贈:遺言書は15歳以上であれば作成できます。
死因贈与:契約は18歳未満であれば親権者などの法定後見人の同意が必要です。

 

税金

どちらも「相続税」が発生します。遺贈の場合は相手方が法定相続人かそれ以外かで税率が異なる場合がありますが、死因贈与の場合は一律になっています。

 

メリット

遺贈:遺言者単独で決定することができ、受贈者は放棄することができます。また、亡くなるまで内容を秘密にすることができます。
死因贈与:事前に契約を結ぶため、確実に贈りたい相手に届けることができます。

 

デメリット

遺贈:遺言書自体が無効となるリスクや、放棄される可能性があります。
死因贈与:口頭での契約は当事者以外に契約内容を立証することが困難であるため、相続人との間でトラブルになる可能性があります。

 

 

遺贈と死因贈与の注意点

  • 遺留分を侵害しないよう注意が必要です。例えば、遺言書で全財産を友人に遺贈した場合、法定相続人は遺留分を侵害されていると主張し、トラブルになる可能性があります。
  • 遺言書や契約書を明確に書面で作成することで、トラブルを未然に防ぎます。

遺留分とは、法定相続人が最低限相続できる財産の割合のことです。詳しくはもめない相続のために! 遺留分の基礎知識と注意点をご覧ください。

 

 

まとめ

遺贈と死因贈与は、どちらも故人の財産を特定の人に譲るための有効な手段ですが、それぞれに特徴や注意点があります。どちらの制度を利用するかは、故人の希望や状況に合わせて慎重に検討する必要があります。

 

相続や遺贈、死因贈与についてお悩みの方は、お気軽に当事務所にご相談ください。問題解決のお手伝いをいたします。