遺言書は複数有効?相続トラブルを防ぐための基礎知識
遺言書が複数見つかった! どれが有効? 相続トラブルを防ぐには? 遺言書の優先順位、無効になるケース、法的な手続きを、行政書士が分かりやすく解説します。 遺言書の作成・相続手続きでお悩みの方は、今すぐご相談ください。

遺言書が複数あって困ったら… よくある疑問を解決!

 

 

遺言書が複数見つかったら

相続手続きを始めようとしたら、故人の遺言書が複数見つかるケースがあります。複数の遺言書が出てきた場合、どれが有効なのか、どのように手続きを進めれば良いのか、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

ご安心ください。遺言書は複数作成しても法的に問題はありません。

 

ここでは、複数の遺言書が見つかった場合の対処法について詳しく解説いたします。

 

 

遺言書は複数作成してもかまわない

まず前提として遺言書は複数作成しても問題はありません

 

最初に遺言書を作成してから、年月の経過とともに遺言者の意図の変化は往々にして発生するものです。例えば、家族構成の変化、財産状況の変動、健康状態の変化などが理由になるでしょう。そういった場合には新たに遺言書を作成しても問題はありません。方式が変わっていても大丈夫です。

 

 

遺言書の優先順位

法的には日付が最新の遺言書が優先されると規定されています。まずは日付を確認しましょう。この際、公正証書遺言(※1)の方が自筆証書遺言(※2)より優先される、といったことはありません。

 

また、古い日付の遺言書も無効になるわけではありません。内容が抵触する部分に関しては前の遺言を撤回したものとみなされ、後の遺言が有効となりますが、抵触していない部分は前の遺言も有効になります。

 

例えば、Aさんは2020年に自筆証書遺言を作成し、自宅と預貯金を長男Bに相続させる旨を記載しました。その後、2023年に公正証書遺言を作成し、預貯金を長女Cに相続させる旨を記載しました。この場合、日付が新しい公正証書遺言が有効となり、預貯金はCに相続されます。一方、自宅については、古い自筆証書遺言が有効となり、Bに相続されます。

 

※1・※2遺言書の種類について、詳しくはこちら「遺言書の種類、どれを選ぶ?種類別の特徴、メリット・デメリットを比較」をご覧ください。

 

 

遺言書の有効性

遺言書が法的要件を満たしているかを確認します。要件を満たしていない遺言書は例え日付が新しくても無効になります。公正証書遺言であれば内容に不備はほぼないと思いますが、自筆証書遺言の場合は目録以外の全文自筆、署名押印といった要件を満たしている必要があります。

 

自筆証書遺言は自宅で手軽にできるため、気が変わったらすぐに作成できます。しかし、前の遺言書を破棄せず新たな遺言書を作成していた場合、残された相続人は内容を一つ一つ確認し、読み解かなければなりません。不備や矛盾があれば相続人間のトラブルの元にもなりえます。

 

遺言書が無効になる例としては、以下のものがあります。

  • 法定要件を満たしていない
  • 遺言者が未成年者や成年被後見人である
  • 遺言能力を欠いている状態で作成された

 

 

まとめ

遺言書はできるだけ1通にすべての内容を網羅的に記載し、不備が生じないよう公正証書で作成することをおすすめします。公証人の関与によって法的な有効性が確保されるため、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。

 

また、複雑な手続きは専門家に任せることで、確実かつ円滑に相続を進めることができます。

 

遺言書を適切に作成し、大切な遺産を確実に次世代に引き継ぐためにも、ぜひ当事務所のサービスをご利用ください。遺言書の作成から相続手続きまで一貫してサポートいたします。

 

遺言書の作成や相続手続きについてお悩みの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。初回相談は無料です。お電話またはお問い合わせフォームより受け付けております。