成年後見制度とは?法定後見と任意後見の違いをわかりやすく解説
成年後見制度の基礎知識をまとめました。法定後見と任意後見の違い、メリット・デメリットに加え手続きなど、わかりやすく解説します。後見制度の相談は、愛媛県今治市の行政書士佐伯和亮事務所まで、お気軽にお問い合わせください。

成年後見制度を解説! 法定後見と任意後見の違いから手続きまで

 

 

はじめに

高齢化社会が進むにつれて、認知症や精神上の障害などにより、判断能力が低下する方が増えています。このような方々は、財産管理や日常生活を送る上で、様々な困難に直面することがあります。

 

成年後見制度」は、判断能力が低下した方を保護し、その権利と利益を守るための制度です。本人の意思を尊重しながら、必要な支援を提供することで、安心して生活を送ることができるようにすることを目的としています。

 

 

成年後見制度の種類

成年後見制度には、大きく分けて「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。

 

法定後見制度

法定後見制度は、本人や配偶者、四親等内の親族などの申し立てにより家庭裁判所が介入して後見人等を選任する制度です。本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの類型に分かれます。

  • 後見:判断能力を欠く方を対象とした制度です。成年後見人は、本人に代わって財産管理や法律行為を行います。
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  • 保佐:判断能力が著しく不十分な方を対象とした制度です。法律で定められた10項目の行為に対する同意権、取消権、及び本人の同意と家庭裁判所の承認を得た特定の行為に関する代理権を持ちます。
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  • 補助:判断能力が不十分な方を対象とした制度です。法律で定められた10項目のうち、本人の申し立てまたは同意に基づき、家庭裁判所の審判を得た特定の行為に関して同意権、取消権、及び代理権を持ちます。

 

任意後見制度

任意後見制度は、本人がまだ判断能力があるうちに、将来の判断能力の低下に備えて、後見人を選任しておく制度です。公正証書によって任意後見契約を締結し、後見人となる人、後見の内容、報酬などを自由に定めることができます。

 

 

成年後見制度のメリット・デメリット

法定後見制度のメリット

  • 本人の判断能力が低下しても、適切な保護を受けることができる。
  • 本人にとって不利益な契約を取り消すことができる。
  • 後見人等は、法律の専門家である場合が多く、専門的な知識や経験に基づいたサポートを受けることができる。

 

法定後見制度のデメリット

  • 本人の意思が尊重されない場合がある。
  • 後見人等に報酬を支払う必要がある。
  • 手続きが煩雑で、時間がかかる場合がある。

 

 

任意後見制度のメリット・デメリット

任意後見制度のメリット

  • 本人の意思に基づいて、後見人や後見内容を自由に決めることができる。
  • 将来的に判断能力が低下しても、安心して生活を送ることができる。
  • 身内の場合、費用が安くすむことも。

 

任意後見制度のデメリット

  • 任意後見契約を締結する際に費用がかかる。
  • 取消権が認められていない。
  • 死後事務は依頼できない。

 

 

成年後見制度の手続き

法定後見制度の手続き

  1. 家庭裁判所への申し立て
  2. 審判
  3. 後見人等の選任
  4. 後見開始

 

任意後見制度の手続き

  1. 任意後見契約の締結
  2. 家庭裁判所への申し立て
  3. 審判
  4. 任意後見監督人の選任
  5. 後見開始

 

 

まとめ

成年後見制度は、判断能力が低下した方を保護するための重要な制度ですが、制度の内容や手続きは複雑で、わかりにくい点も多いかもしれません。

 

厚生労働省のウェブサイトでは、成年後見制度に関する詳しい情報が掲載されていますので、参考にしてください。

厚生労働省:成年後見制度
https://guardianship.mhlw.go.jp/personal/

 

疑問や不安な点があれば、お気軽に今治市の行政書士佐伯和亮事務所までお問い合わせください。