【失敗しない自筆証書遺言】書き方・注意点、保管方法まで解説
自筆証書遺言の作成方法、注意点、保管方法を徹底解説!費用0円で手軽に作成できる自筆証書遺言ですが、形式不備や紛失のリスクがあります。この記事では、行政書士が、失敗しない自筆証書遺言の作成方法、注意点、保管方法まで詳しく解説します。

【失敗しない自筆証書遺言】書き方・注意点、保管方法まで解説

 

 

 

 

はじめに

自筆証書遺言は、ほとんど費用をかけずに、ご自身のペースで遺言を作成できる方法です。
しかし、その手軽さゆえに、形式の不備による無効のリスクも伴います。
今コラムでは、自筆証書遺言のメリット・デメリット、作成方法、注意点、そして保管方法について詳しく解説します。

 

 

自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言とは、遺言者が全文、日付、氏名を自筆し、押印することで完成する遺言書のことです。
費用がかからず、証人も不要なため、手軽に作成できることが大きなメリットです。

 

メリット

  • 費用がかからない:紙とペン、そして印鑑があれば作成できます。
  • 手軽に作成できる:証人は不要なのでいつでも、どこでも、ご自身のペースで作成できます。

 

デメリット

  • 紛失・改ざん・破棄のリスク:自宅保管の場合、紛失や、改ざん・破棄のリスクがあります。
  • 形式不備による無効のリスク:全文自筆、日付、署名、押印など、法律で定められた形式に不備があると無効になる可能性があります。
  • 検認が必要:相続手続き開始前に、家庭裁判所での検認手続きが必要です。

 

 

作成方法

  • 全文自筆:遺言書の全文を、ご自身の手で書きましょう。パソコンや代筆は認められません。(ただし、財産目録は例外です。)
  • 日付:作成日を明確に記載しましょう。吉日は×です。
  • 署名:戸籍どおりの氏名を書きましょう。
  • 押印:実印をおすすめします。
  • 財産目録:財産のリストを作成する場合は、パソコン等で作成し、すべてのページに署名・押印しましょう。裏面に記載がある場合は裏面にも署名・押印が必要です。

注意点:訂正方法について
二重線を引き、訂正後の文字を記入して訂正した文字が見えるように訂正印を押します。
加筆箇所の欄外や遺言書の末尾に、その場所が分かるように示した上で、訂正又は追加した旨を付記して署名します。
*訂正方法は記載していますが、訂正するより書き直した方が無難です。

 

 

保管方法について

自宅保管:費用はかかりませんが、紛失・改ざん・破棄のリスクがあり、対策が必要です。
法務局保管:法務局で遺言書を保管してもらえます。費用はかかりますが、安全に保管できます。検認が不要になります。

 

法務局保管:自筆証書遺言書保管制度について
法務局に遺言書を預ける場合、上記の法律上の形式に加えて様式のルールがあります。

  1. 用紙はA4サイズ
  2. 上側5mm、下側10mm、左側20mm、右側5mmの余白を確保する
  3. 片面のみに記載
  4. 各ページにページ番号を記載(1枚のときも1/1と記載)
  5. 複数ページでも、とじ合わせない(封筒も不要)

*形式は確認されますが、内容の確認は行われません。
* 遺言者本人が法務局に予約の上、出向く必要があります。
*保管には手数料が必要となります。

 

詳しくは「遺言書保管制度とは?メリット・デメリットから手続き、注意点まで徹底解説」をご覧ください。

 

 

まとめ

自筆証書遺言は、形式不備や紛失などのリスクはありますが、紙とペン、そして印鑑さえあればその場で作成できる遺言書です。
遺言書の作成をお考えの方は、まずは自筆証書遺言を検討してみてはいかがでしょうか?

 

当事務所では、遺言書作成のサポートを行っております。自筆証書遺言の作成方法や注意点についてのご相談はもちろん、公正証書遺言の作成サポート、遺言執行、相続手続きなど、幅広く対応しております。お気軽にご相談ください。