負担付遺贈で叶える、あなたの願い
負担付遺贈を活用すれば、財産を譲りながら、あなたの願いを叶えることも可能です。負担付遺贈とは、特定の条件を付けて財産を遺贈すること。遺言書にあなたの想いを託し、大切な人に確実に届けましょう。負担付遺贈の基礎知識から注意点、対策を行政書士が分かりやすく解説。遺言書作成に関するご相談も承ります。

負担付遺贈の活用方法|メリット・デメリット、注意点

 

 

はじめに

負担付遺贈とは、遺言者が遺言によって相続人または第三者に財産を譲る際に、特定の条件を付けることができる制度のことを指します。遺贈を受ける受贈者は、指定された義務を履行することが求められます。例えば、「息子の配偶者(嫁)に預貯金の一部を遺贈する代わりに、自分の介護をしてほしい」といった条件を付けることができます。

 

このコラムでは、負担付遺贈について、具体例や注意点などを詳しく解説していきます。

 

 

負担付遺贈の具体例

遺族の世話
  • 遺言者の配偶者との同居と介護を負担として自宅不動産を子に遺贈する。
  • 障害を持つ兄弟姉妹の養育を負担として預貯金を遺贈する。
ペットの飼育
  • 残されたペットの飼育を負担として預貯金の一部を遺贈する。
住宅ローンの返済
  • 住宅ローンの残債返済を負担として自宅不動産を遺贈する。

 

以上のような例が典型的な負担付遺贈の例であり、遺産の使用方法や受遺者に対する特定の要求を明確にすることができます。

 

ただし、以下のような点には注意する必要があります。

 

負担付遺贈の注意点と対策

負担付遺贈を行う際には、いくつかの注意点があります。

 

注意点

負担義務には限度がある

(民法第1002条1項)
負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。

と民法で規定されています。
つまり、遺贈する財産に対して、過大な負担義務を課すことはできません。あまりにも過大な負担を課してしまうと、受遺者が遺贈を放棄してしまう可能性があります。

 

遺贈は放棄できる

負担付遺贈は、遺言者の一方的な意思表示によって行われますが、受遺者には、その遺贈を受けるか放棄するかを選択する権利があります。受遺者の負担を考慮しないと遺贈を放棄されてしまう恐れがあります。
そのため、遺言を作成する前に、受遺者と負担の内容についてよく話し合い、同意を得ておくことが重要になります。

 

不履行の恐れ

受遺者の中には負担付遺贈を承認したのに、財産だけ受け取り負担義務を履行しない場合もあります。このような場合、遺言執行者や相続人は、受遺者に対して負担義務の履行を請求することができます。それでも履行されない場合は、家庭裁判所に、負担付遺贈に係る遺言の取消しを請求することができます。

 

 

対策

負担が過大にならないように注意する

遺贈する財産の価値と負担義務の内容を比較し、負担が過大にならないように設定しましょう。

 

受遺者と事前に話し合う

上述のように、受遺者と事前に話し合い、負担の内容に同意を得ておくことが重要になります。

 

遺言執行者を指定しておく

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う役割を担います。負担付遺贈の場合、遺言執行者は、受遺者が負担義務をきちんと履行しているかを確認し、必要があれば督促を行うなど、遺言者の意思が尊重されるよう監督する役割を担います。

 

遺言執行者には、信頼できる友人や親族、または士業などの専門家を指定することができます。詳しくは遺言執行者ってどんな人? 遺言を確実に実行してくれる頼もしい存在をご覧ください。

 

 

まとめ

負担付遺贈は、遺言者の意思を反映させ、財産を有効活用するための有効な手段です。
しかし、遺言書を作成する際には、負担の内容が過大にならないよう注意し、受遺者との事前の話し合いを大切にする必要があります。

 

負担付遺贈をはじめ、遺言書の作成にお悩みの方は、今治市の行政書士佐伯和亮事務所までお気軽にご相談ください。初回相談は無料です!