亡くなった家族の遺した公正証書遺言の内容が、とても納得できるものでなかったとしたら、何かできることはあるのでしょうか?
無効リスクの極めて低い公正証書遺言ですが、納得がいかない場合、どのような対処法があるかを解説します。
こんな内容の遺言であっても、遺言者の意思だから、と納得できるでしょうか?
納得できない場合の対処法は次の3つがあります。
無効となる形式上の不備がほとんどありえない公正証書遺言ですが、無効となるケースもあります。
遺言書の無効を主張する場合は、家庭裁判所に調停を申し立て、そこで解決が見込めなければ訴訟を提起します。
遺言書作成時に、認知症や精神の障害などにより遺言内容を理解し判断する能力に疑問がある場合は、無効となる可能性があります。
公正証書遺言の作成には証人2人以上の立会いが必要ですが、証人には一定の欠格事由があり、該当する者が証人であった場合、無効となる可能性があります。
遺言者は遺言の趣旨を公証人に口頭で伝える必要がありますが、これが行われていなかった場合、無効となる可能性があります。
遺言者の真意と遺言内容に錯誤があった場合、無効となる可能性があります。
例えば、血縁関係を前提に遺言書を作成したが、実際には血縁関係にない場合が該当します。
遺言内容が社会通念上許されない(公序良俗に反する)場合は無効となる可能性があります。
例えば、家族がいるのに愛人に全財産を遺贈する旨の遺言書を作成していた場合が該当します。
無効を主張する場合はこれらの事由に該当する証拠を準備しましょう。
相続人・受遺者・遺言執行者の全員の同意を得ることができれば、遺言書に従う必要はありません。
遺言書で遺産分割協議が禁止されていなければ、調停の前にまずは全員で話し合ってみましょう。
上記2つは遺言書自体の有効性や内容に対する不満への対処法ですが、こちらは遺言書自体は受け入れて、相続する遺産が法律で認められている最低限度を下回っている(=遺留分を侵害されている)場合に、侵害されている額を金銭で請求する方法です。
請求の方法は定められていませんが、必ず内容証明郵便で行いましょう。
また、相続の開始と遺留分の侵害を知った時から1年以内に行わないと時効にかかってしまいます。
無効を主張する場合もこの時効は進行するため、無効の主張と遺留分侵害額請求は並行して行ってください。
遺言書を作成する際に公正証書をおすすめする理由は、無効になるリスクが極めて低いから、です。
しかしそんな公正証書遺言でも内容や形式をきちんと確認しておかないと、無効になる可能性が全くのゼロではありません。
当事務所では今治で遺言書の作成に関するサポートを行っております。
相談は無料で承りますので、お気軽にご相談ください。