公正証書遺言でも納得できない場合はどうする?
公正証書遺言の内容に納得できない場合は、どうすればいいのでしょうか?遺言書の無効を主張する、遺産分割協議を行う、遺留分侵害額請求を行う…など、具体的な対処法を解説します。公正証書遺言に関するトラブルでお悩みの方は、ぜひこの記事をご覧ください。

【公正証書遺言】納得できない!そんな時の対処法

 

 

はじめに

亡くなった家族の遺した公正証書遺言の内容が、とても納得できるものでなかったとしたら、何かできることはあるのでしょうか?
無効リスクの極めて低い公正証書遺言ですが、納得がいかない場合、どのような対処法があるかを解説します。

 

公正証書遺言について、詳しくは公正証書遺言で確実な相続を実現!メリット・デメリットを解説をご覧ください。

 

 

納得できない内容の遺言

  • 長男に全財産を相続させるという内容で、他の相続人は一切相続できない
  • 複数いる相続人のうち、自分だけ相続できる遺産が極端に少ない
  • 家族以外の他人に多くの遺産を遺贈する内容だった

こんな内容の遺言であっても、遺言者の意思だから、と納得できるでしょうか?
納得できない場合の対処法は次の3つがあります。

 

 

遺言書の無効を主張する

無効となる形式上の不備がほとんどありえない公正証書遺言ですが、無効となるケースもあります。
遺言書の無効を主張する場合は、裁判所に遺言書無効確認訴訟を提起します。

 

遺言能力の有無

遺言書作成時に、認知症や精神の障害などにより遺言内容を理解し判断する能力に疑問がある場合は、無効となる可能性があります。

 

証人の資格

公正証書遺言の作成には証人2人以上の立会いが必要ですが、証人には一定の欠格事由があり、該当する者が証人であった場合、無効となる可能性があります。

 

遺言者の口授

遺言者は遺言の趣旨を公証人に口頭で伝える必要がありますが、これが行われていなかった場合、無効となる可能性があります。

 

遺言者に錯誤

遺言者の真意と遺言内容に錯誤があった場合、無効となる可能性があります。例えば、血縁関係を前提に遺言書を作成したが、実際には血縁関係にない場合などが該当します。

 

公序良俗に反する

遺言内容が社会通念上許されない(公序良俗に反する)場合は無効となる可能性があります。例えば、家族がいるのに愛人に全財産を遺贈する旨の遺言書を作成していた場合が該当します。

 

無効を主張する場合はこれらの事由に該当する証拠を準備しましょう。

 

 

遺産分割協議を行う

相続人・受遺者・遺言執行者の全員の同意を得ることができれば、遺言書に従う必要はありません。
遺言書で遺産分割協議が遺言により禁止されていなければ、訴訟を提起する前にまずは全員で話し合ってみましょう。
詳しくは遺言書は絶対?必ず従わなければならないの?をご覧ください。

 

 

遺留分侵害額請求を行う

上記2つは遺言書自体の有効性や内容に対する不満への対処法ですが、こちらは遺言書自体は受け入れて、相続する遺産が法律で認められている最低限度を下回っている(=遺留分を侵害されている)場合に、侵害されている額を金銭で請求する方法です。
請求の方法は定められていませんが、必ず内容証明郵便で行いましょう。
遺留分の侵害を知った時から1年以内、または相続の開始から10年以内に行わないと時効にかかってしまいます。
無効を主張する場合もこの時効は進行するため、無効の主張と遺留分侵害額請求は並行して行ってください。
遺留分侵害額請求について詳しくは【遺留分侵害額請求】あなたの権利は守られている?をご覧ください。

 

 

まとめ

無効になるリスクが極めて低い公正証書遺言ですが、内容や形式をきちんと確認しておかないと、無効になる可能性が全くのゼロではありません。

 

当事務所では今治で遺言書の作成に関するサポートを行っております。
初回相談は無料で承りますので、お気軽にご相談ください。