「サービス管理責任者」
「児発管」と同様、障害福祉サービスの質を支えるとても重要な存在です。
今回は、「サービス管理責任者」、略して「サビ管」について解説していきます。
サビ管は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づく指定障害福祉サービス事業所(訪問系サービス以外)には、必ず1人以上設置することが義務付けられています。
障害のある方が地域で自立した生活を送れるよう、様々なサービスを提供する事業所です。生活介護・就労継続支援・共同生活援助(グループホーム)など多岐に渡るサービスがあります。
主な仕事内容は利用者のニーズに合わせたサービス提供を行うために、個別支援計画の作成、関係機関との連携、職員への指導・助言など、サービス提供プロセス全体を管理する役割を担っています。また、業務を行う際には利用者の自己決定を尊重し、意思決定に困難がある場合には適切な支援を行う努力をする必要があります。児発管と共通する点も多くありますが、より自立に重きを置いています。
利用者一人ひとりの状況や課題、目標などを踏まえ、個別支援計画を作成します。
利用者の能力、環境、日常生活を評価し、希望や課題を把握します。アセスメントは面接を通じて行い、利用者の意思や選好、判断能力を丁寧に把握して面接の趣旨を十分に説明し、理解を得るようにします。
アセスメントの結果に基づき支援計画の原案を作成し、利用者の意向を確認するための会議を開催し、担当者や利用者から意見を収集します。
利用者またはその家族に支援計画原案の説明と同意を得て計画書の交付を行い、モニタリング(支援計画の実施状況の把握)を少なくとも6カ月に1回以上実施し、継続的に評価や見直しを行います。モニタリングには利用者や家族との継続的な連絡が求められ、定期的に面接し、結果を記録するよう努めます。
利用申込者に関する心身の状況や他のサービス利用状況を確認するため、申込者に係る指定障害福祉サービス事業者等に照会を行います。利用者の心身の状況や環境を考慮し、定期的に自立した生活を支援する方法を検討します。また、自立が認められる利用者には、必要な支援を提供します。
支援計画に基づいた支援が適切に行われるよう、他の従業者に対して必要な技術指導や助言を行い、支援の質を確保します。
サビ管になるためには次の要件を満たす必要があります。児発管とは実務経験要件が異なっていますので、必ず確認してください。
※業務経験や保有資格により必要年数が異なります。
要件が複雑であり、各都道府県によっても異なる場合がありますので、お問い合わせ、または申請先の窓口まで必ずご確認ください。
実務経験要件を満たす2年前から基礎研修を受講することができます。
※サービス管理責任者等(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)
基礎研修修了後に2年間のOJT期間(現場で実務を行いながら仕事内容を覚える見習い期間)が定められており、2人目のサビ管として配置でき、個別支援計画書の原案作成を行うことができます。
※基礎研修受講時点で実務経験要件を満たしているなどの要件を満たしていれば6カ月に短縮可能です。この要件も要確認です。
・ サービス管理責任者等実践研修(14.5h)
を受講可能で、修了するとサビ管として配置できるようになります。
期間は5年間で、経過前にサービス管理責任者等更新研修を受講する必要があります。
受講時にサービス管理責任者等、管理者、相談支援専門員として従事しているか、受講開始前5年の間に2年以上の実務経験をサービス管理責任者等更新研修受講の要件とします。
参考資料:愛媛県ホームページ
愛媛県サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者研修(基礎研修・実践研修・更新研修)について
サービス管理責任者等研修事業の実施について(実施要綱)
サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者研修 研修制度まとめ
【障害福祉サービス】よくある質問より
厚生労働省及びこども家庭庁令和5年6月30日付け「サービス管理責任者等に関する告示の改正について」別添
サビ管と同じような資格に、児童福祉法に基づく障害児通所支援事業所に設置義務のある「児童発達支援管理責任者」略して「児発管」があります。
サビ管が障害を持つ大人を対象とするのに対し、児発管は障害を持つ子どもを対象とする違いがあります。
児発管について詳しくは【児発管】児童発達支援管理責任者の役割と要件を解説で紹介します。
サビ管と似た名前の「サービス提供責任者」略して「サ責」というものがありますが、こちらは資格名ではなく介護保険法に基づく訪問介護事業所や、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの居宅介護等の訪問系事業所に設置義務のある役職名です。
サ責の資格要件は
介護福祉士、その他実務者研修修了者など厚生労働大臣が定める者
となっています。
今回は、障害福祉サービスにおける「サビ管」について解説しました。サビ管は、利用者のニーズに合わせたサービス提供を行うために、個別支援計画の作成、関係機関との連携、職員への指導・助言など、サービス提供プロセス全体を管理する重要な役割を担っています。
難しい指定基準や運営に関する疑問やお困りのことがございましたら、お気軽に当事務所へご相談ください。
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