はじめに
児童発達支援管理責任者…少し聞き慣れない言葉かもしれません。
ですが、障害のあるお子さんの成長を支援する上で、とても重要な存在です。
今回は、そんな「児童発達支援管理責任者」、略して「
児発管」について解説していきます。
児発管の設置義務
児発管は、児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業所開設のための人員基準として
1人以上(その内1人以上は専任かつ常勤)の設置が義務付けられています。
児童発達支援
未就学の障害児を対象に、発達を促すための療育や支援を行う事業所です。
「児童発達支援センター」とそれ以外の「児童発達支援事業所」があります。
放課後等デイサービス
就学中の障害児を対象に、放課後や休日、長期休暇中に、生活能力の向上や社会との交流を促進するための支援を行う事業所です。
児発管の役割
児発管は、各事業所において子どもたちの成長をサポートするリーダー的存在です。主な役割は以下の通りです。
個別支援計画の作成
一人ひとりのお子さんの発達状況や課題、そしてご家族の意向を踏まえ、それぞれの施設でどのような支援を受けるのか、
具体的な目標や内容を定めた個別支援計画を作成します。作成のためには以下のようなプロセスがあります。
アセスメント(客観的な評価)
障害児の能力や環境、日常生活の状況を評価し、児童と保護者の希望や課題を把握します。
支援計画の原案作成と意向確認
アセスメントの結果に基づき児童発達支援計画の原案を作成し、関係者を招集し意見を求める会議を開催します。
支援計画の実行とフォローアップ
利用者と家族への支援計画原案の説明と同意を得て計画書の交付を行い、モニタリング(支援計画の実施状況の把握)を少なくとも6カ月に1回以上実施し、継続的に評価や見直しを行います。
利用者及び家族等と継続的な連絡を取り、必要に応じて学校や医療機関、相談支援事業所などの関係機関と連携し、お子さんへの支援をより充実させます。
障害児とその家族に対する相談及び援助
障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、常に障害児の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、
障害児又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行います。
他の従業者に対する技術指導・助言
支援計画に基づいた支援が適切に行われるよう、
他の従業者に対して必要な技術指導や助言を行い、支援の質を確保します。
児発管になるための要件は?
児発管になるためには次の要件を満たす必要があります。
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STEP
- 実務経験要件
- 相談支援業務経験:5年
- 直接支援業務経験:5年or8年
- 指定国家資格保有:5年
※業務経験や保有資格により必要年数が異なります。
要件が複雑であり、各都道府県によっても異なる場合がありますので、お問い合わせ、または申請先の窓口まで必ずご確認ください。
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STEP
- 基礎研修受講
実務経験要件を満たす2年前から基礎研修を受講することができます。
- 相談支援従事者初任者研修(11h)
- サービス管理責任者等基礎研修(15h)
※サービス管理責任者等(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)
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STEP
- OJT(見習い)
基礎研修修了後に2年間のOJT期間(現場で実務を行いながら仕事内容を覚える見習い期間)が定められており、2人目の児発管として配置でき、個別支援計画書の原案作成を行うことができます。
※基礎研修受講時点で実務経験要件を満たしているなどの要件を満たしていれば6カ月に短縮可能です。この要件も要確認です。
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STEP
- 実践研修受講
・ サービス管理責任者等実践研修(14.5h)
を受講可能で、修了すると児発管として配置できるようになります。
期間は5年間で、経過前にサービス管理責任者等更新研修を受講する必要があります。
受講時にサービス管理責任者等、管理者、相談支援専門員として従事しているか、受講開始前5年の間に2年以上の実務経験をサービス管理責任者等更新研修受講の要件とします。
参考資料:愛媛県ホームページ
愛媛県サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者研修(基礎研修・実践研修・更新研修)について
サービス管理責任者等研修事業の実施について(実施要綱)
サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者研修 研修制度まとめ
【障害福祉サービス】よくある質問より
厚生労働省及びこども家庭庁令和5年6月30日付け「サービス管理責任者等に関する告示の改正について」別添
児発管とサビ管の違いは?
児発管と同じような資格に、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所に設置義務のある「サービス管理責任者」略して「
サビ管」があります。
児発管が障害を持つ子どもを対象とするのに対し、サビ管は障害を持つ大人を対象とする違いがあります。
サビ管について詳しくは
【サビ管】サービス管理責任者の役割と要件を解説で紹介します。
まとめ
今回は、障害児通所支援事業所において重要な役割を担う「児発管」について解説しました。児発管の業務は個別支援計画の作成、職員への指導、保護者との連携など、多岐にわたります。
障害児通所支援事業所は年々増加しており、それに伴い児発管の需要もますます高まっています。児発管の確保は、事業所にとって重要な課題と言えるでしょう。
わかりづらい法改正や複雑な基準要件など、お困りのことがございましたら、お気軽に当事務所へご相談ください。
事業所の円滑な運営のお手伝いをさせていただきます。